3月 272011
 

土門拳の写真集『筑豊のこともだち』。
1960年に発表された土門拳の代表作ですが、当時としてはめずらしく、初版は新聞紙に使われるようなざら紙に単色刷り、254mmx177mmと小さめな版型、ソフトカバーで中綴じという簡単な製本で、多くの人に手にとってもらうため定価100円という抑えた価格設定でした(1960年頃はカレーライスが50円、ビールのジョッキが170-180円)。

「こうした革新的なアイディアが功を奏した結果、写真の見方が変わり、写真集の新しい表現方法が確立したのである。」(日本写真集史1956-1986 p.56) 。そしてその後、社会派ドキュメンタリーや廉価版写真集というニーズ、マーケットができあがったということです。

ちなみに前作『ヒロシマ』(1958年、研光社)はそれとは対照的な印刷製本ともに凝った豪華本でした。

【土門拳の本・日本写真集史】
- 土門拳 / 筑豊のこどもたち 1997年に築地書館より出版された復刊本。
- 日本写真集史 1956-1986 金子隆一氏、アイヴァン・ヴァルタニアン氏による共著。今では絶版でなかなか見ることができない貴重な写真集の記録。